日常点検のチェック箇所日常点検のチェック箇所

日常点検は、走行距離や運転時の状態などから判断して実施するもので、ユーザー本人が比較的容易に行うことができる点検内容なので、確実に実施しましょう。目安としては1ヵ月に一度、長距離走行前や洗車時などに行うのが一般的ですが、日頃のちょっとした機会に注意深くクルマを観察することで、不具合箇所を早期に発見することができるでしょう。

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セル・モーター音、アイドリング音 クルマの異常はエンジン始動時のセル・モーター
音やアイドリング音でも判断できます。特にセル・
モーター音はバッテリ不具合を知るバロメーター。
「いつもと違う?」と感じたら要注意です。 セル・モーター音、アイドリング音

タイヤ、ランプ類 駐車した際に、ショーウインドウのガラスへの映り
込みなどを利用して自分のクルマのランプ類を
チェックすることもできます。 タイヤ、ランプ類

アクセル、ブレーキ アクセルやブレーキの踏み心地でクルマの異
常を判断できます。買い物で街中を走るとき
など、普段から正常時の操作感覚を意識する
習慣をつけましょう。 アクセル、ブレーキ

日常点検の流れ日常点検の流れ

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エンジンルームをのぞいてここを点検エンジンルームをのぞいてここを点検

  • ウインド・ウォッシャ液の量
  • ブレーキ液の量
  • バッテリ液の量
  • 冷却水の量
  • エンジンオイルの量
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クルマのまわりを回ってここを点検クルマのまわりを回ってここを点検

  • タイヤの空気圧
  • タイヤの亀裂、損傷および異状な摩耗
  • タイヤの溝の深
  • ランプ類の点灯、点滅およびレンズ
    の汚れ、損傷
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運転席に座ってここを点検運転席に座ってここを点検

  • ブレーキ・ペダルの踏みしろおよび
    ブレーキの効き
  • パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろ
  • ウインド・ウォッシャの噴射状態
  • ワイパの拭き取りの状態
  • エンジンのかかり具合および異音
  • エンジンの低速および加速の状態

STEP1エンジンルームをのぞいてここを点検エンジンルームをのぞいてここを点検

STEP1のエンジンルームの点検は、エンジンが熱をもっている恐れがあるので、走行前もしくは走行後しばらく経ってから行うようにしましょう。

ウインド・ウォッシャ液の量ウインド・ウォッシャ液の量

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ウインド・ウォッシャ液の量が十分あるかを点検します。不足時は専用液を補充しましょう。

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ウインド・ウォッシャ液は冬季の凍結を防止するため専用液を使用する必要があるので、行きつけの整備工場に相談しましょう。

いざというときにフロントガラスの汚れを落とせずに、前が見えなくなる

※ウォッシャ液が、カラの状態でウォッシャ・スイッチを入れると、モーターが故障することがあります

ブレーキ液の量ブレーキ液の量

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ブレーキ・リザーバ・タンク内の液量が規定の範囲(MAXとMIN の間)にあるかを点検します。

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定期的な交換の必要性がありますので、定期点検等の際に整備工場で交換しましょう。

ブレーキ液の量が減ると、最悪の場合ブレーキが効かなくなり、追突事故の原因になる

※ウォッシャ液が、カラの状態でウォッシャ・スイッチを入れると、モーターが故障することがあります

バッテリ液の量バッテリ液の量

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バッテリの液量が規定の範囲(UPPERとL0WERの間)にあるかを車両を揺らすなどして点検します。

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バッテリには寿命があるので、定期点検の機会等を利用して早めに交換しましょう。

バッテリあがり(エンジン始動不能) ●バッテリの破裂

※メンテナンスフリーバッテリ(液の補充及び点検ができないタイプ)も、同様に寿命があります。

冷却水の量冷却水の量

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ラジエータ・リザーバ・タンク内の冷却水の量が規定の範囲(FULLとLOW の間)にあるかを点検します。

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定期的な交換の必要性がありますので、定期点検等の際に整備工場で交換しましょう。

冷却水の量が減るとエンジンがオーバーヒートを起こし、最悪の場合エンジン交換が必要になる

※冷却水の量が著しく減少しているときは、ラジエータ、ラジエータ・ホースなどから冷却水が漏れているおそれがあります。

エンジン・オイルの量エンジン・オイルの量

エンジン・オイルの量がオイル・レベル・ゲージにより示された範囲内にあるかを点検します

エンジン・オイルとオイル・フィルタは、定期的な交換の必要性がありますので、定期点検等の際に整備工場で交換しましょう。

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平らな場所でエンジンを止めた状態で、オイル・レベル・ゲージを抜き取ります。

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オイル・レベル・ゲージに付着しているオイルを拭き取ります。

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オイル・レベル・ゲージをいっぱいに差し込みます。

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もう一度抜いてオイルの量がオイル・レベル・ゲージの規定の範囲内(HとLの間)にあるかを確認します。

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オイル・レベル・ゲージを元の位置に差し込みます。

エンジンオイルの量が足りない場合、エンジン内部の破損を引き起こす

※オートマチック・トランスミッションのオイル・レベル・ゲージと間違えないようにしましょう。

STEP2クルマのまわりを回ってここを点検クルマのまわりを回ってここを点検

STEP2ではタイヤやランプ類の点検を行います。ランプ類の点検は信号待ち等での前の車や、駐車した際のショーウインドウへの映り込み等を利用してチェックすることもできます。

タイヤの空気圧タイヤの空気圧

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タイヤの接地部のたわみの状態により、空気圧が不足していないかを点検します。なお、タイヤゲージがあれば、より正確に点検できます。

タイヤの指定空気圧は、運転席ドアの端やセンターピラーに貼付されているラベルに表示されています。

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タイヤゲージが無い場合や自分でチェックすることが難しい場合は、行きつけの整備工場に気軽にチェックをお願いしましょう。

●空気圧不足による燃費悪化 ●空気圧が不適正な場合、走行安定性が悪化 ●空気圧不足により、ハンドル操作が重くなる

※スペア・タイヤの空気圧も点検しましょう。

タイヤの亀裂、損傷および異状な摩耗タイヤの亀裂、損傷および異状な摩耗

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  1. 著しい亀裂や損傷がないかをタイヤの全周にわたり点検します。また、釘、石、その他の異物が刺さったり、かみ込んだりしていないかを点検します。
  2. タイヤの接地面の片側だけや一部だけが異状に摩耗していないかを点検します。

クルマの下廻りから見ないと全周にわたってチェックすることは困難なので、整備工場で定期点検を実施して確実にチェックしてもらいましょう。

●パンク、バースト(破裂) ●スリップ ●制動距離が長くなる

※亀裂、損傷や異状摩耗したタイヤでの走行はとても危険です。早急に取り換える必要があります。

タイヤの溝の深さタイヤの溝の深さ

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溝の深さが十分あるかをスリップ・サインなどにより点検します。なお、デプスゲージを使用すれば残り溝の深さがわかります。

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スリップ・サインは、タイヤの溝の深さが1.6mm以下になると現れます。

タイヤは負荷がかかる部分(一番使用している重要な部分)が最も摩耗するので、部分的に溝が減っている場合でも交換の必要性があります。

●パンク、バースト(破裂) ●スリップ ●制動距離が長くなる

※スタッドレスタイヤは溝の深さが50%まで摩耗すると積雪路・凍結路での性能が低下するので、タイヤの溝の深さが50%に達するとスリップ・サインが現れます。

ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷

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  1. エンジン・スイッチをONにして、へッドランプ、テール・ランプ、ライセンス・ランプ、ブレーキ・ランプ、クリアランス・ランプ、バックアップ・ランプなどの点灯具合やウインカ・ランプの点灯具合及び点滅速度が不良でないかを点検します。フォグランプ付車はフォグランプの点灯具合も点検しましょう。
  2. レンズなどに汚れや損傷がないかを点検します。

ランプ類は他の交通へ合図を送る重要な装置なので、必要な場合は整備工場でチェックしてもらいましょう。

●夜間、悪天候時及びトンネル走行時等に前方視界が確保できない ●他車への意思表示ができない

※ウインカ・ランプが球切れを起こすとメータ内のインジケータ・ランプ点滅速度に変化が生じます。

STEP3運転席に座ってここを点検運転席に座ってここを点検

STEP3では運転席での操作に対するクルマの反応を確認します。新車時や定期点検直後との違いを意識しながら点検しましょう。

ブレーキ・ペダルの踏みしろおよびブレーキの効きブレーキ・ペダルの踏みしろおよびブレーキの効き

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ブレーキ・ペダルをいっぱいに踏み込んだとき、床板とのすき間(踏み残りしろ)や踏みごたえが適当であるかを点検します。また、ブレーキの効きが適当であるかを点検します。

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徐々に進行する変化には気付きにくいので、整備工場で定期点検を実施して、専門的な知識を有する整備士に確実にチェックや調整をしてもらいましょう。

ブレーキの効きが悪い場合、追突事故の危険性が高い

※床板とのすき間が少なくなっているときや踏みごたえがやわらかく感じるときは、ブレーキ液の漏れや空気の混入が考えられます。整備事業場へ依頼して原因をつきとめましょう。

パーキング・ブレーキ・レバー(ペダル)の引きしろ(踏みしろ)パーキング・ブレーキ・レバー(ペダル)の引きしろ(踏みしろ)

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パーキング・ブレーキ・レバーをいっぱいに引いたとき、引きしろが多すぎたり、少なすぎたりしないかを点検します。また、パーキング・ブレーキがペダル式のクルマは、ペダルの踏みしろで点検します。

徐々に進行する変化は見逃しがちなので、整備工場で定期点検を実施して、専門的な知識を有する整備士に確実にチェックや調整をしてもらいましょう。

●パーキング・ブレーキの効きが悪くなる ●パーキング・ブレーキの引きずり

ウインド・ウォッシャの噴射状態ウインド・ウォッシャの噴射状態

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ウインド・ウォッシャ液の噴射の向きおよび高さが適当かを点検します。

噴射の向きや高さが適当でなく、自分で調整等できない場合は、整備工場に依頼しましょう。

●フロントガラスの汚れを落とせない ●飛散による他の交通等への悪影響

ワイパの拭き取りの状態ワイパの拭き取りの状態

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  1. ワイパを作動させ、低速および高速の各作動が不良でないかを点検します。
  2. ウォッシャ液がきれいに拭き取れるかを点検します。

拭き取り状態が悪く、ワイパのゴム等を自分で交換できない場合は、整備工場に依頼しましょう。

フロントガラスの雨や汚れを拭き取れない

※ワイパのから拭きは、ガラスを傷つけますので、ウォッシャ液を噴射してからワイパを作動させましょう。

エンジンのかかり具合および異音エンジンのかかり具合および異音

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エンジンが速やかに始動し、スムーズに回転するかを点検します。また、エンジン始動時およびアイドリング状態で、異音がないかを点検します。

徐々に進行する変化には気付きにくいので、整備工場で定期点検を実施して、専門的な知識を有する整備士に確実にチェックしてもらいましょう。

●エンジンがかからない ●エンジンの力不足 ●エンジン内部不具合

エンジンの低速および加速の状態エンジンの低速および加速の状態

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  1. エンジンが温まった状態で、アイドリング時の回転がスムーズに続くかを点検します。
  2. アクセル・ペダルを徐々に踏み込んだとき、アクセル・ペダルに引っ掛かりがないか、また、エンスト、ノッキングなどを起こすことなくスムーズに回転するかを走行して点検します。

徐々に進行する変化には気付きにくいので、整備工場で定期点検を実施して、専門的な知識を有する整備士に確実にチェックしてもらいましょう。

●排気ガス悪化による環境汚染 ●走行中のエンジンストップによる追突

※走行して点検しますので、交通状況に注意し、安全な場所で行いましょう。

ハイブリッド車・EV車の触れてはいけない部品例

ハイブリッド車やEV車は高電圧ケーブル、高電圧バッテリーを搭載しているので不用意に触れると高電圧により、重度の火傷や感電の恐れがあります。一般ユーザーが不用意に触ってはいけない部品は、下の写真のようにオレンジ色になっていたり、注意書きシール等が貼られていますので、点検時は十分に注意しましょう。

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定期点検ガイドはこちらから

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